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【INSIDE MMA】「リングの魔力。」

 

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(文◎佐佐木澪)

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PANCRASE 2011 IMPRESSIVE TOUR (2011年9月4日◎東京・ディファ有明)
<メインイベント ウェルター級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチ 5分3R>
△佐藤豪則(Laughter7/王者)
 [判定1-1] ※28-29、29-28、28-28
△石川英司(GRABAKA/同級1位・挑戦者)


no81_main02.jpg 格闘家・佐藤豪則の心を惹き付けてやまないものが2つある。それは恩師・桜庭和志と、リングという舞台だ。
 佐藤が格闘技を見るようになったのは、小学校4~5年生の頃だった。テレビで見たnWoがかっこよくて、プロレスに憧れた。そこからドン・フライを知った。「強いなぁ。どうしてこんなことができるんだろう」と驚いた。強くて、大きい男たちが激しくぶつかりあう格闘技は、少年の心をワクワク躍らせた。どんどん興味がわき、UFCを知った。また、時代を遡ってUインターと新日本プロレスの対抗戦にも夢中になった。
 「すごいなぁ。かっこいいなぁ!」
 佐藤少年の目に、リングはまぶしく輝いて見えた。
 そしてPRIDEという舞台で活躍する桜庭和志という選手を知った。運命の出会いだった。
 「ちょうど桜庭さんがブレイクされた頃でした。それまでいろんな試合や選手を見ましたけど、桜庭さんみたいなすごい人を見たのは初めてでした。しかも同じ秋田県出身。ますます感銘を受けました」
 特にカーロス・ニュートンとの試合には感動した。休みなく動き続け、関節を取り合った。そのムーブに魅せられた。また、ホイス・グレイシー戦にも激しく興奮した。

 桜庭は、他の選手とは全く違って見えた。強いだけではなく、見ていて飽きない面白さ。素朴なキャラクター、ユーモアの感覚。そして何より、思いやりのある人柄だということが、画面を通して佐藤の心にまっすぐ伝わった。
 「こんなすごい人に、オレもなりたい。あんな華やかな舞台に、オレも立ってみたい!」

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 小さい頃から身体が大きかった。小学校6年の時には既に身長170cmあり、よく大学生に間違えられていたという。柔道を始めたのは小学校2年。クラスの友達に誘われたのがきっかけだった。それまでラグビーをやってみたり、空手の町道場に通ったりしたが、どれも続かなかった。しかし、柔道は面白かった。
 「柔道をやめずに続けられた理由は、勝てたからです。身体は大きかったんですけど、運動神経はそんなにいい方ではありませんでした。でも、なぜか小4くらいからよくなってきたんですよ。身体も大きかったので、勝てたんですね。やっぱり勝てると楽しい。得意だったのは大外刈りや内股。バンバン投げて、全国大会にも出ていました」
 柔道の先生から勧められ、小学4年から相撲にも取り組んだ。こちらも快進撃。秋田県大会で優勝したりしていた。秋田に相撲の巡業が来れば練習に行き、佐藤はどんどん強くなっていった。中学卒業時と高校卒業時には、大鵬部屋から誘いがあったほどだった。しかし、佐藤の心は決まっていた。
(俺は、桜庭さんのようになるんだ)

 桜庭と一緒に練習するようになると、テレビから感じていた桜庭の人柄を肌で感じるようになった。
 「あんなに強くて有名な人なのに、威張るようなところがちっともない。それどころか、俺たち後輩にすごく気を遣ってくれるんですよ。練習でもシゴキなんてないし、プライベートでこき使うようなこともない。とにかく、一緒にいてイヤだと思うところが全然ないんです。本当に優しい人です」
 佐藤は練習を通して、どんどん桜庭に惹き付けられていった。桜庭が高田道場を離れる時には、迷うことなくついていった。桜庭は、まさに「生きた人生の目標」だからだ。

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 公開練習や会見の時には、いつも落ち着いた態度で真面目な印象を与える佐藤。それも、桜庭の背中を見て育ったからだという。
 「僕だって、友達と酒を飲んで弾けるともある。でも、人前に出るときはちゃんとしなきゃいけないと思う。汚い言葉で相手を挑発するようなことはしたくない。パフォーマンスもいいけれど、大きい態度で自分を大きく見せるようなのは好きじゃない」
  「真面目」な印象の佐藤の、違う部分を知りたくて、趣味は何かと尋ねてみた。
  「趣味...ないんです。だから、アンケートとかで聞かれると、いつも困るんですよ(笑)。本当に無趣味で。強いて言えば、試合を控えていない週末に、友達とクラブで遊んだりすることくらいかな。格闘技が本当に好きなので、ちょっと時間があれば技のことを考えたり。電車に乗っている時も、ジャブの使い方を考えたりしている。その時どきの"マイブーム"があって、それについて延々考えたり。だから、趣味=格闘技、となってしまう(笑)。だけど、大好きなことを仕事に出来て良かった」
 まさに格闘技漬けの毎日。それも、桜庭という大先輩と、リングの持つ魔力にハマッたからだ。
 「リングに立ったことのあるヤツなら分かると思うんですけど、一度試合で勝ったら、あの気持ち良さは忘れられない。試合前にはいやだなと思ったり、怖いなと思ったりするけど、終わるとまたやりたいと思う。リングってそういう場所です」
 40代になって、なおリングに上がり続ける桜庭もまた、リングの魔力に魅せられたひとり。佐藤は、その遺伝子を受け継いだのだ。
  「前は世代交代と言ってましたけど、20代も後半に入って、もう若いから大丈夫とは言えなくなった。今を大事にして、格闘技界を引っ張って行かなければ先はない」
no81_main24.jpg  王者であれば、当然メインを張ることになる。そこでみっともない試合をすれば、大会自体を駄目にしてしまう。いかに、見る人の心に響く試合をするか。それが出来る選手が「プロ」なのだ。
 「格闘技は、僕の生き甲斐です。もし格闘技がなくなったら、僕の人生なにも残らない。歌手の表現方法が歌なら、僕の表現方法は格闘技です」
 桜庭の魅力とリングの魔力が、佐藤を試合へと駆り立てる。勝っても負けても、見る人の心に残る選手でありたい。桜庭のように――。


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